今後の林業について

三全総が姶動して以降は、「定住圏(の一部分)としての山村」の振興が課題となりました。


従来の広域市町村圏を定住構想の当面の"受け皿"として、80年度から「新広域市町村圏計画」による事業も開始されました。


同事業は、従来の圏内隣接市町村によるし尿・ゴミ処理の共同化や生活道路の整備だけでなく、教育・文化施設、スポーツ・レクリエーション施設等の整備、地場産業の振興、観光資源の開発、コミュニティー施設の整備などにも"共同化"の事業を拡げるものですが・・・


しかし、これらの事業は当然、山村地域の「生活環境」にも影響しています。


こうして山村における生活基盤の開発.整備は、大きく「過疎化を防止」しえたかにみえます。


実際、70年代初頭以降の日本公共建設投資の傾向的な特徴は、一つには産業基盤に対する生活基盤の優先であり、2つには大都市圏と地方圏における投資格差の縮小でしょう。


自治省の調査によれば、国、地方自治体、公社・公団などが80年度に行った行政投資の総額は27・9兆円。


その地域別内訳は大都車圏の52%に対して地方国は48%となっており、74年の同じ比率58%対42%と比べれば、投資の重点が地方圏に移ってきたことは明らかでしょう。


・・・しかし、この間、「生活環境」が"相対的に底上げされた"のは、地方の中小邦市であって、山村地域ではなかったのです。


林業経営の特徴 2

林業に対する税制は超長期事業であることを無視したような過酷な体系が依然として続けられています。


こうした不利な条件を克服するためには、よほど高価な材の生産が必要になるわけです。


これには生産性の思い切った向上ともなる高伐期林業による大材の生産以外にないようです。


・・・以上の要因を考えると、恒続的な高伐期林業が整備されれば低伐期林業に比べて絶対的に有利であり、その有利さの較差はますます大きく開いていくこととなるでしょう。


税制面での配慮がなされれば有望な企業ともなり得る要素があるといえるかもしれません。


次にこの両者それぞれの長所と短所を拾ってみましょう。


まずは長所。


1.資本回収期間が短いこと(一般に早くても50年程度であり、農業とは比較になりませんが)。


2.柱材など細丸太の利用は、たまたま「成長量最多の時期」と合致する伐期であり、かつ、より太い中目丸太に比べて材積当たり単価も高い傾向がある。


シイタケのほだ木などきのこ生産原木は20年前後とさらに低伐期です。


3.林業としては比較的計画しやすい利点がある。


そして短所。


高伐期林業の長所項目の裏返しとみればいいのです。


要約すれば・・・


1.伐採毎に少なくとも十年程度は太陽エネルギーの活用率が極めて低くなる。


2.林業、特に造林事業は労働力が主体のため、今後の事業運営は極めて困難となる。


3.全般的に生産コストが上昇し続けるため、生産性はいよいよ低下する。


4.各種被害率は高まる。


5.土壌の悪化、荒廃につながる。


6.全般的に公益性は低下する。


7.企業としての魅力はますますなくなり、林業退勢への先導役ともなりかねない。


8.産物はほとんど柱材という限られた用途にとどまり、需給の調整は極めて難しく融通性に欠ける。


国有林、民有林とも伐期がくれば一斉に伐りたいので供給過剰となり、材価は下落の一途をたどることでしょう。


林業経営の特徴

売払い単価のより高いことが望ましいとすれば、当面高伐期林業による以外に方法が見当たりません。


しかし林業不振の現在においては高伐期林業を期待しつつも、経営の苦しさから低伐期林業を余儀なくされているところが大部分のようです。


京都・北山の磨丸太などもやはり低伐期林業ですが、材価が極めて高いため完全に専業として成り立っています。


全国的に山林所有者の大半が、林業を副業としているものと思われます。


父祖の造林した山を伐採するわけで、いわば臨時収入といった感覚のため、林業に対し事業として余り期待をかけていないのが実情でしょう。


限られた面積で営業するためには、何としても単価のより高い材の生産が必要です。


しかも投資-労力、経費-を極小化する工夫が必要です。


こうした要件を満たすためには、北山の磨丸太のような飛び抜けて高価な銘木級の生産でない限り、高伐期林業をおいてほかに見当たりません。


・・・しかも恒続的でなければなりません。


木材生産即ち育林事業の特徴は、投資から回収までの1回のサイクルに少なくとも50年。


長くは数100年と一般企業ではとても考えられない長期間が必要なことです。


そのため土地、労力、経費の投資に対する金利が想像を超える額になってしまいます。

林木の成長 2

現在はスギ、ヒノキの用途は柱材が主体ですが、1本の立木から柱が2~3丁採材できる頃がスギで50年前後、ヒノキで60年前後ということと、この時期が比較的生産性の高い時期ともいわれ、国有林、民有林ともこの時期の伐採が最も多いようです。


これが低伐期林業の見本といえるものです。


上の時期を超えると逆に材積当たりの単禦安くなるような、いわゆる「中目材」と呼ばれる時期があります。


これは多少成長しても1本の丸太から柱が1丁しか採れなければ廃棄するバタ材が多く出るだけで製材歩留りは悪くなり、材積成長はあっても価値成長はゼロという時期です。


それよりさらに成長して1本の丸太から複数の柱が採れたり、より高価ななげしや板材として使用できる樹齢(太さ)になれば、生産性はぐんぐん上昇することになります。


200年生から300年生以上にもなると、スギ、ヒノキなどは無節材、柾材、その他板目として見事な価値成長も加わり、特にスギなど限りない上値が期待されるものです。


次に、林業経営の特徴と伐期との関係について。


林業を専業とする場合は何としても収入の継続が必要条件となります。


したがって相当な大面積の保有者でないと続かないのです。


・・・こうした条件から大規模な法人組織による林業経営が全国各地に散見されます。

林木の成長

林木の寿命は、100~150年ほどのものから、スギやケヤキのように1000年以上のものまで樹種によって大差があるようです。


もちろん同じ樹種でもそこが適地か不適地かによって大差が生じることもまた当然です。


また樹種により早成のものと晩成のものとがあり、一般に早成のものは寿命が短い傾向にありますが、スギのように早成でありかつ長命であるものもあります。


したがって高伐期がよいからといっても、200年以上にもなると腐ったり枯れたりするものもあるので注意しなければなりません。


まずは細丸太。


戦後しばらくまでは木土建築用の足場丸太や、稲掛け用材には細丸太が随分と使われました。


前者は長さ6~8メートル程度までで、末口は一寸以上あればよく太さはむしろ細い方が好まれ、1本いくらという取引でした。


したがって大都市近郊や尾鷲など、昔か著名な産地が形成されていました。


これらは間伐材からどんどん利用されましたが、規格に達したものから伐採するといったもので択伐と呼ぶ方が正しいかもしれません。


したがって30年生前後から収穫が始まるのです。


こうした地方は1ヘクタール当たり植栽本数は6000本から8000本という密植が行われていました。


しかしこの足場丸太や稲掛け用材などは残念ながら今ではほとんど使われなくなりました。

赤痢の特長

高熱と腹痛を伴った下痢が赤痢の症状です。


下痢便には赤く血液が混じることが多く、便所へ行って排便しても、またすぐ便意をもよおします。


しかし、ほんの少量の便しか出ず、便所にしゃがみ込んで動けなくなるような「しぶり腹」が特長です。


腹痛は左下腹部がキリキリと締めつけられるような痛みです。


赤痢菌は患者のふん便と一緒に排泄され、これがいろいろな経路で健康な人の口に入り感染を起こさせます。


下痢便は手に付きやすく、患者の手に付いた便の中の赤痢菌は、便所のドアの取っ手などに付き、それに触れた人が手も洗わずに手づかみで食物を口に入れると感染します。


調理にたずさわれば食品にこれを付けます。


ハエ、ゴキブリ、ネズミなどがふん便を運び、赤痢菌で食品を汚すこともあります。


井戸水や川の水にはふん便が入っていると考えた方がよいでしょう。


わたくしたちのまわりは、目に見えなくても臭いがしなくても、ふん便で汚れているのです。


開発途上国ではとくに汚れがひどいといえます。


赤痢にかかるのを予防する心得は、手洗いの励行と、加熱調理した食物を調理後すぐ食べること、なま水を飲まないことの3点につきます。


有効なワクチンはありません。

開発途上国に多い病気

腸チフス・パラチフスは、はげしい倦怠感、日ごとに階段状に上昇し1週間以上も続く高い熱、食欲不振、頭痛、腰痛などを訴える病気です。


発病のはじめに軽い下痢がある程度で、極期にはむしろ便秘に傾きます。


皮ふに赤い点状の発疹が出、高熱の割には脈拍数が少ないのも特長です。


治るまでの期間も長く、ときには腸出血や腸穿孔を起こして死ぬこともある重い病気です。


しかし、クロラムフェニコール、アンピシリン、トリメトプリムなどの抗菌剤が効きますから、最近では致命率は著しく改善されました。


この病気も、赤痢やコレラ、流行性肝炎、ポリオなどと同じく、患者や保菌者のふん便で汚染された飲料水や食品によって感染する病気です。


そのため、衛生的な食生活をすることで予防できます。


貝類の生食はとくに危険です。


開発途上国では、まだこの病気が多く、毎年海外で感染したと推定される例が50例ほど報告されています。


これは全届出患者の10数パーセントにあたります。

睡眠を科学する

脂肪酸をめぐって、なおいくつかのヒントがあたえられています。


実験によれば、炭素原子の多い脂肪酸ほど少量でREMを起こすし、逆に少ないものほど普通の睡眠を起こす傾向があるそうです。


動物では、一般に肉食動物の方が草食動物よりもREMが多いですが、これは肉食の方が体内で低級脂肪酸をたくさん作るためでしょうか。


また、夜寝る前にトリプトファンを多く含んだ食物をとると、フランスベッドでの入眠後、1回目のREMの開始が早くなります。


しかし、このトリプトファンというアミノ酸こそ牛乳、たまご、牛肉、かひかなど、一般に動物性タンパク質に多く含まれているので、それが体内で分解されて低級脂肪酸を作り出すためと想像されます。


それでは、これでREMの原因物質は解決したかというと、そうではありません。


自律神経のうち副交感神経をおさえるアトロピンを大量に注射すると、REMが一時的に消失するのです。


ところが逆に副交感神経の作用を高めるフィゾスチグミンを注射するとREMがふえます。


同じ神経刺激剤のカルバコールを中脳網様体に注射してもREMがふえます。


つまり体内にアセチルコリンをふやすような物質(コリン作動物質)がREMをひきおこすことになります。


この実験から、コリン作動物質が後橋細様核に働いて、低級脂肪酸の方はこれよりも上方にある前橋網様核に働くと推定しています。

旅行者下痢症

古くから、外国旅行をすると下痢をしやすいことが知られています。


このような下痢を旅行者下痢症といいますが、その原因は「水が変わったため」などと思われてきました。


しかし、大部分は細菌感染によるものなのです。


東京都立衛生研究所微生物部で実施した検便の結果によると、海外旅行から帰ってきて下痢をしている人では約61%から。


旅行中に下痢をしたが帰国時は治ってしまっていた人および自分では旅行中健康だったと思っている人でも約25%から。


何らかの下痢原因細菌が見つかっています。


原因となった細菌の種類はさまざまですが、赤痢菌やコレラ菌も検出されています。


毒素原性大腸菌というのは、わたくしたちの腸の中にいつも住んでいる大腸菌の仲間ではありますが、コレラ菌と同じような作用で下痢を起こすことが知られている細菌です。


サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどはよく食中毒の集団発生の原因となる細菌です。

旅行または出張中の飲食

家庭内では、飲食物の諸注意を自分の手で実行できますが、家庭外では、安全と思われるものを選んで飲食する以外に方法はないと思います。


冷たい食物、デザートの類は危険です。


冷肉、ハム、ソーセージ、サラダ、牛乳、チーズ、アイスクリーム、プリンなどがこの部類に属します。


このような用心は、滞在するホテルの等級に関わらず必要です。


開発途上国に短期出張したり、旅行する場合は、必ず飲料水消毒剤と小型電気湯沸し機を持参しましょう。


飲み水の危険を忘れて十分に飲まないことは、高温多湿地域では、日射病、熱射病をおこす原因となります。


そのため、このような消毒剤が役に立つことが多いのです。


炎天下で旅行したり、農村地帯に行くような場合には、1~2リットルの魔法びんに飲料水を入れて持ち歩く用心も必要でしょう。


魔法びんのない場合には、ミネラルウォーターの容器が代用となります。


安全な飲料水が確保できない場合に限り、自分の持ってきた飲料水を飲むようにします。


旅行または出張中は、特に暴飲暴食をしない心がけが必要で、これを守らないと、いわゆる"旅行者下痢症"を起こしやすいものです。


開発途上国では、大きなホテルの部屋の水道の蛇口から出る水でも、油断できないことがあります。


歯をみがくときも、湯の出る蛇口から熱湯を出し、これを冷やしてから使用することをおすすめします。


航空機のなかで出される水も、ガス入りのミネラルウォーターであることが確かでない場合には、オレンジジュース、コカコーラの類を選ぶのが安全です。

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